英語とギターの関連上達法(3):アーティキュレーションと英語のリズム

450/ 2月 10, 2019/ 英語とギターの関連上達法

こんにちは。一郎です。

本日も、英語とギターの関連について、

少し書いてみようかと思っております。

今回の内容も、

最初から意識しないともったいない

大切な基礎になる部分のお話ですね。

テーマとしては、

“アーティキュレーションと英語のリズム”について。

なんのこっちゃって感じですかね(笑)。

アーティキュレーションというのは、

あまり聞きなれないかもしれないですが、

音楽用語として使われる言葉ですね。

ざっくりとした意味だと、

メロディーなどで、

“表情豊かな表現”をすることです。

無表情でカタいフレーズは、

狙ってやるなら別にいいんですけど、

やっぱりイキイキとした

ノリで楽器は弾きたいですよね。

アーティキュレーションは、

そのための技法とも言えます。

学校の授業的なイメージでいうと、

スタッカートとか、スラーとか、

そういう技法を指すこともありますね。

つまり、音と音のつながりの中で、

音の長さや強弱を使い分けるということ。

そうすることで、

その音の流れに表情が生まれて、

新しい意味がプラスされていく訳ですね。

私の楽器演奏において、

この“表情をつける”という部分に、

1つのブレイクスルーを

体感したことがありました。

それが、実は英語の学習を通してなんです。

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英語のリズムで“歌う”ということ

楽器演奏や音楽が

コミュニケーションだというのは、

割とよく言われる話ですよね。

そういう意味では、

言語というコミュニケーション方法とも

似てる部分があると思うんですよ。

その中でも、

今回ピックアップしたいのは、

ズバリ、“リズム”です。

これが、以前に

英語とギターの関連上達法:コードと発音

という記事の中でお話した

“発音”というテーマと同じように、

英語と日本語で、全く別物なのです。

そういうことを前提にして、

私が好きな表現ジャンルを少し考えてみると、

そのほとんどが、英語圏にルーツを持つ音楽なんですね。

(厳密にはアフリカになってしまいますが…

 日本語とのリズムが異なることは一緒です)

となると、その本場のミュージシャンは、

当然、英語のフィーリングで、

演奏の中で“歌っている”訳です。

つまり、日本語的な発想でいると、

それっぽさが出ないのは当然なんですね。

そこは英語的なリズムで発想しなきゃいけない。

このリズム感の習得について、

素晴らしい本に最近出会ったので、

ちょっとご紹介させていただきます。

日本人のためのリズム感トレーニング理論

(著:友寄 隆哉)

この本では、リズム感の秘密を

“身体の動作”と“言語の違い”から

紐解いていきます。

「生まれてから毎日行なっていて、一番大きな比重を占めている行為(しかも文化に関連したもの)は何か、と考えた場合、そこから浮かび上がるのは、まず“言語活動”であり、次いで日常の“動き”(立ち振る舞い)でしょう。極端に言えば、一般の人の場合、リズムの良し悪しは使用言語と歩き方に集約することができるのではないでしょうか」

日本人のためのリズム感トレーニング理論』P235

この身体の使い方という面も、

非常に参考になるので、

演奏者の方は特に、

目を通してみてもらいたいですね。

“身体の使い方”という部分は、

英語での話に置き換えると、

以前に話した“発音のフォーム”も

その1つであると思います。

発音の上達には、フォームを基本として、

さらに英語のリズムが必要になってきます。

英語特有のフォームとリズムがあって、

ようやく伝わる発音になってくる訳です。

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アクセントに対する認識の違い

英語の教本とかにも、

「英語はアクセントが大切」とか、

よく書いてあるとは思うんですが、

そのアクセントも、リズム表現の1つです。

「日本語では、どの音も基本的に同じ存在感をもっています。“ひまわり”の中のどの音が一番大事か、ということもなく、ヒ・マ・ワ・リ、といった具合に、どれも同じ自己主張をもった音です。一方、英語は、強調すべき音とそうでない音が区別された言語です」

日本人のためのリズム感トレーニング理論』P243

これって、わかってるようで

わかってない部分だと思いますよ。

出来てるとも思いがちだったり。

なぜなら、“アクセントをつける”

ということだけをとっても、

日本語話者と英語話者の間で、

そこにまた認識の違いがあるからです。

「“日本人は、個々の単語のアクセントは強調するが、英語話者は、意味の重要な箇所をアクセントで強調する”、という点が重要でしょう。この言語感覚も当然、音楽の演奏に現れていきます」

日本人のためのリズム感トレーニング理論』P278

これは大きなヒントだと思いますね。

日本語を母語としている時点で、

“アクセント”と“意味の重要度”の関係が、

英語話者に比べて希薄なんです。

そして、それは基本的に

無意識的に発動している訳です。

ここを言語でもう少し考えてみると、

核心の“意味”が最も浮かび上がるように、

英語の話者は話を展開させているということです。

このアクセントという技法は、

音を強く表現することだけではないんです。

流れに緩急をつける“展開自体”や、

意表をついた“サプライズ的な(話や音使いの)跳躍”など、

意味を強調させる表現全般に当たると思います。

会話や楽曲という文脈の“流れ”の中で、

“物語の核心”を浮かび上がらせる表現、

その一番根本にあるのが、

リズムと言えるのではないでしょうか。

だから、ここを甘く見て

色んなテクニックを学んでいくと、

表現方法は知っているのに、

伝わりにくいということになります。

なので、英語を母語とする人が、

どのようなリズムを感じているのか、

それを研究することは、

楽器演奏にも英会話にも役に立ちます。

私が、自分の演奏に、

“少し表情が出てきたかも”と感じたのは、

まさに英語の“発音のフォーム”と

“リズム”を意識してからでした。

そして、その時に行なっていたのは、

徹底的に“集中して聴く”ことです。

この本の中でも、

前回のブログに出てきた

“観察”というキーワードがありました。

それが、なにかを真似る際に、

大事なことであると。

「“見る”という行為にしても、“聴く”という行為にしても、しっかりと観察しながら聴くことが大事です。理想としては、千回くらいはボ〜と聴いて、それから次に、聴くたびに発見したことをノートに箇条書きにして、メモして行くことだと思います。何かを真似るということは、言語的な表現として、その特徴を列挙できる能力が必要です」

日本人のためのリズム感トレーニング理論』P360

この本は、とにかく分厚いです(笑)。

具体的なトレーニング法だけでなく、

リズムをたどる歴史や、様々な参考文献等、

視野を広げる色んな可能性が織り込んであります。

理論書としてゴツい感じですが、

文章としてはわかりやすく書いてあるので、

ご興味ある方は是非ご覧になってみてください。

発音のフォームと同様に、

リズムについても、

子供はするする吸収できますが、

大人は頭で理解しておかないと、

ドツボにハマる可能性があります。

“リズムの違い”に目を向けて、

早い段階で練習の中に組み込むことを

私はオススメしたいですね。

色んな表現方法がある中でも、

まずはリズムで歌うというのが、

自然な流れなんじゃないでしょうか?

という訳で、今日はこの辺で。

それではまた〜。

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